23日は、こぐま座で、やまびこ座・こぐま座プロデュース人形劇・北海道の創作人形劇Part1『奇跡の庭〜じかん島のひみつ〜』を。
縄文、オホーツク、アイヌ文化といった様々な年代の地層が入り乱れる礼文島の、地層発掘現場をヒントに演出の沢則行さんが描いた歴史ファンタジーとのこと。「日本最北端に浮かぶ奇跡の島 -礼文島」って、すごいなー。
ダブルキャストでの上演で、私が見たのはチームBの大学生3人が主役を務める回です。(チームAは、大学生2人と館長の矢吹さん)
この「北海道の創作人形劇」というので自分が見たことのあるのは、2015年のPart1『新☆アイヌ・ラッ・クル伝』(※『ジユウダイ!』でレポートしてます)
そして、北海道の人形劇シリーズPart2『モイモイ・オーシャン・パラダイス』に続いて3作目。3作目だけどPart1なのかー。…Part3ではなく?
ということはさておき。
『奇跡の庭〜じかん島のひみつ〜』のアイヌ文化パートでは、『新☆アイヌ・ラッ・クル伝』以来大活躍している鮭や、その時の人形たちがたくさん出てきたり、
オホーツクパートでは、まさかの『OKHOTSK オホーツク -終りの楽園-』の姫長と比羅夫が出てきたり。
縄文パートの、「縄文!」「土器ドキ」「土偶」「オホーツク!」の輪唱には笑いました…。
ここからは、ちょっと個人的な思い入れといいますか、一人で感動してしまったことについて書こうと思うのですが、
先ほどリンクしたウェブサイト『ジユウダイ!』で、沢さんを演出・美術に迎えた『新☆アイヌ・ラッ・クル伝』の取り組みを取材したのが2015年。
その時のキャストに起用されたのは、まだ高校生だった人形劇団ボンドのメンバーです。小学3年生の頃からこぐま座で開催されている人形劇講座に通い、中学1年生のときに「人形劇団ボンド」を結成。劇団活動と並行して、やまびこ座で開催されている人形浄瑠璃講座も受講している子どもたち。
その後、2017年に人形劇団ボンドwithビスケット『夏の夜の夢』を見た時の衝撃も、こちらのブログに書きましたが、
今回の『奇跡の庭〜じかん島のひみつ〜』のキャストは、ボンド所属の大学生と、同じく小学3年生からやまびこ座の演劇講座を受講し、並行して人形浄瑠璃講座も受講している大学生からなっています。
自分が見た大学生だけのチームBでも、館長の矢吹さんは随所で存在感を発揮しておりましたが、役割としてはサポート役です。比羅夫の足遣いとか。
なんていいますか、小学3年生の頃から教えてきた子どもたちが主役を務めるくらいに成長してですね、足遣いを矢吹さんがしている、という絵を見たときに、
札幌で連綿と続いてきた人形劇・芸術文化の営みの中で、大人から次の世代へ手渡してきた願いみたいなものの、まさに手渡す瞬間に立ち会っているような、なんとも言えないグッとくるポイントがあったわけです。
これはもう自分だけがグッときているポイントな気がしますし、自分が見続けているのもまだまだ途中からという感じではあるのですが、やっぱり、見続けることで得られるギフトというものがあるのだなあ、と。
その意味で、本作の最後に「ここが奇跡の島!」というようなセリフが出たとき、まさに「ここ(こぐま座・やまびこ座)が奇跡の島だわ…」としみじみ。
とは言え
サポート役の矢吹さんも、土偶の操作でおいしいところを持っていったり、足腰の筋力を使う一番ハードな形で「オホーツク!」と叫んでいたり、
舞台を共につくるからには現役として若手に負けてられねーという気概も感じられ、それは演出をした沢さんも同じような気がするのですが、まだまだ大人のぶっちぎり感があって、今後これが若手との競い合いの域に入っていったら面白いなあ〜という思いも。
いやー、本当に、やまびこ座とこぐま座は札幌の宝であります。沢さん&矢吹さんコンビの挑戦、今後も楽しみです。
アツい!
(編)
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