シビウ国際演劇祭(FITS)2020のオンライン・エディションの19日(金)、Teatro dei Venti『Moby Dick』に続いて、Noism1『R.O.O.M.』

猫の世話をしながらの鑑賞だったので、結構飛び飛びになってしまった…。

お次はミロ・ラウ『Hate Radio』

ルワンダで1994年に起きたフツ族によるツチ族の虐殺。を、扇動したラジオ局の放送を再現したドキュメンタリー演劇です。重い…

人々の識字率もそんなに高くなく、新聞やテレビもない中、最新のヒットソングなどを流すミルコリンズ自由放送(RTLM)はあっという間に若者に浸透。その放送から連日のように「ゴキブリ(ツチ族)を殺せ」という声が聞こえてきて…というホラーなことが実際に起こったわけですが。

背景には植民地時代に(もともと人種的区別が曖昧だったところへ、宗主国がフツ族とツチ族を明確に分け民族名を書いたIDカードを持たせた上で)少数派のツチ族による独占的な統治が促進され、両者の分断が生まれたこと。そして、独立の過程で支配権を巡り両民族が衝突し、民族対立に発展したこと。などがあったそうです。(こちらを参照

『Hate Radio』の最後の方で、服役中の元パーソナリティーの女性をミロ・ラウが訪問した時の映像が流れるのですが、「正当化された殺人と虐殺と呼ばれる殺人との違いって何ですか?」みたいなことを彼女が話していて(この時の字幕を読み損ねたので、内容違うかも)、心に引っかかりつつ。

それにしても、「お墨付き」を与えられた途端、思考停止してしまう人の性よ…。現在も、Youtubeとかに「〜の真実」とかいうタイトルのとんでもな内容を流す動画がたくさんあって、それが何がしかの不満や生きづらさを抱えている人たちの受け皿になりつつ、差別や憎悪にお墨付きを与えるような状態があるわけで。

でも、その罪深さよりも、そこが受け皿になってしまう社会システムの方こそ、どうにかならんものか。

とりとめなくなりそうなので、一旦終わり。

この日のラストは、ティミショアラ”Mihai Eminescu”国立劇場による『Rambuku』。

The Theater Union of Romania – UNITER –が選ぶ、2017年のベスト・パフォーマンス賞受賞作です。

土地の名前でもあり、稀人の名前でもある「Rambuku」。前半はひたすら会話内で「Rambuku」のことばかり話してて「いやいや、Rambukuって何?」と脳内で突っ込みつつ。

ノルウェー人作家による有名な戯曲を、死を待つ人々の物語へと再解釈した本作。美しく不穏な雰囲気は、最後、ガス室を彷彿とさせるビジュアルへと突如形を変えて迫ってきて、どわーーーーっとなりました。

『Hate Radio』のルワンダ虐殺に続いて、ユダヤ人虐殺…。重い…

と思っていたら、翌日、もう一つの虐殺を扱った作品に出会ったのでした。

ということで20日(土)。

まずは
María Pagés & Sidi Larbi Cherkaoui『Dunas』

シディ・ラルビ・シェルカウイの振付作品は見たことがあったけど、本人も踊る作品は見るの初めて。布と照明と身体の動きとで面白い視覚効果の現れる場面があって、「へー!」と釘付け。

舞台表現って、本当に発見が尽きないなー。

そして夜はNathalie Rossetti and Turi Finocchiaroによるドキュメンタリー『Singing in Exile』。

1915年にトルコ(オスマン帝国)のアナトリアで起きたアルメニア人虐殺。を扱う演劇作品を制作する劇団が、アナトリアからのディアスポラであるアランとヴァージニアを招き、アルメニアの古い伝統的な聖歌を教わります。

その過程で二人と共に劇団メンバーはアナトリアを訪れ、土地に宿る記憶を体感。現在その地に入植している村人たち(クルド人かな?)とアランとヴァージニアが交流する場面では、「アルメニア人はいい人たちだよ。でも、賠償のことはもう口に出すべきじゃないと思う」と語る男性も。

オスマン帝国時代にアルメニア人問題が発生する背景もまた複雑で、クルド人との関係含め全然覚えられないのだけど、分断が固定化する過程に「風評」も大きく影響したことが興味深い。日本社会にも馴染み深い「風評」。自分もほとんど無意識レベルで影響されがちな「風評」。恐ろしい…

これまた猫の世話をしながらの鑑賞だったので、結構飛び飛びになってしまったのだけど、前日に続いてまた虐殺の記憶に触れることになり、重い…。

でも、今回のオンライン・エディションだからこそ見れた作品たちだったので、非常に良かったです。

いやー、疲れたな!

(編)

 

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