毎年8月に開催されるEdinburgh International Festivalが、今年は「My Light Shines On」というタイトルでオンライン開催中。

今のところ8本公開されていて、6本が音楽。残り2本は、スコティッシュ・バレエ団によるダンス映像

↑短編集で、最後の作品(マスクを着用したダンサーが踊る)が新作だそうです。

National Theatre of Scotland『Ghost Light』。

劇場の舞台裏が舞台。台詞を覚え中の役者や、テクニカルや衣装などの裏方スタッフが出てくるのですが、一見何の脈絡もないというか、全ての場面の時空が異なるような不思議な印象。

で、後からレビューをチェックしてみたら、NTSの各レパートリーに出演している俳優が作品中の台詞を話していたそうで。NTSの作品を見続けている観客はニヤッとしちゃいそうな。

でもそれが、非日常の断片が日々紡がれる「劇場」という宇宙を見事に表現していて、素敵な作品でした。

あと、タイトルでもある「Ghost Light」。夜間に安全のため舞台上に灯しておくライトをゴースト・ライトと言うのですね!なんか、由来が、夜、人がいなくなった劇場で芝居をする幽霊のために点けておいた、とか面白いなー。日本の劇場にも同じような習慣ってあるのかな?

で、人がいなくなった劇場で幽霊のために灯しておくライトの名前がタイトルなのかーと思うと、その名のもとに劇場の記憶が走馬灯のように流れていく本作が、また一層味わい深いというか…。

劇場〜

次。

ZooNation -The Kate Prince Company-『The Mad Hatter’s Tea Party』

全編はこちらから

「不思議の国のアリス」の登場人物を、心の病を持ったキャラクターとして脚色。「普通」という基準のせいで生きづらさを抱える人たちを描きつつ、ヒップホップを中心とするダンス・カンパニーならではの盛り上がりシーンが満載です。

ダンスシーンが終わるたびに客席から歓声と拍手が飛び、ついHDPの公演を思い出してしまった。あ〜、あのノリが恋しい〜。

次。

Milo Rau『La Reprise: Histoire(s) du théâtre (I)』

全編はこちらから

2012年にベルギーのリエージュで起こった殺人事件を検証し、「再演」する作品。(被害者の父親が2015年に出版した本についての日本語記事がありました)

被害者の母親、加害者の男性、そして被害者役は、公募によって選ばれており、そのオーディション(面接)も再現。

笑えるシーンもありつつ、なんとなく、このドキュメンタリー演劇という手法を通すことで開かれる思考の経路ってのもあるような。まだぼんやりとした印象だけど、彼の作品は見続けていきたいなあ。

ちなみに、被害者を演じた男性が面接で語る「ステージには椅子が一つ。その上には首吊り用のロープがあり、役者は首を吊っても20秒はしがみついて持ちこたえられると説明する。そうして椅子を蹴り飛ばした場合、観客は役者を助けるためにステージに駆け上がるだろうか?」というやつ。

本作の最後は、まさにこれを再現して終わるのだけど(椅子を蹴り飛ばす瞬間、暗転)。いやー、これは、駆け上がれるのかな。そんな場面には観客として遭遇したくないっす。

あと、これまた被害者を演じた男性が椅子に上る前に歌うヘンリー・パーセルの「Cold Song」。クラウス・ノミのが有名なのですね。

作品を見て、背景を調べて、レビューを読んで、そこからまた知らないことがたくさん出てきて。の繰り返し。これが本当に楽しい。

(編)

 

 

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