続いて、礒﨑敦仁『北朝鮮と観光』読了。

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北朝鮮観光史と、韓国人の北朝鮮観光のパートが特に面白かったなー。

90年代のはじめ頃、JTBなどの大手旅行代理店が北朝鮮ツアーを実施していたことは『北朝鮮入門』でも書かれていたのだけど、アントニオ猪木氏が企画した95年の「平和のための平壌国際スポーツ・文化祭典』では日本から3500名が平壌入りしたとか!

(ちなみにアントニオ猪木氏、2014年にも『インターナショナル・プロレスリング・フェスティバルin平壌』を開催していたそうで、これめっちゃ近年のことだけど初耳でした。)

あと、韓国からの開城観光を切り開いた現代グループ名誉会長のエピソードで、金剛山観光事業の合意を得るため(北朝鮮が食糧危機の時代だったので)手土産で牛500頭を連れて訪朝したとか、すごい。手土産で牛500頭!

それで、少し話戻って、

アントニオ猪木氏の95年のときは、「純粋に観光を目的とする」場合のみ朝鮮・韓国籍の人たちにもビザが発給され、600名程度の在日朝鮮・韓国人も訪朝したと書かれていて。

韓国籍を持つ在日韓国人が北朝鮮入りできないのはわかるけど…と考えたところで、あれ、この場合の朝鮮籍ってどういうこっちゃとわからなくなり、自分の教科書『在日朝鮮人ってどんなひと?』を再び。

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敗戦後、日本政府は講和条約が結ばれるまで旧植民地の人々を日本国籍のままにするとしておきながら、1947年に外国人登録令を出し、朝鮮人は日本国籍のまま外国人とみなされるおかしな立場に置かれたそうで。

外国人登録には国籍欄があり、当時まだ朝鮮半島に国がなかったので(韓国と北朝鮮ができたのは48年)、国籍欄に「朝鮮」と書いたのが、そのまま「外国人登録上の記号」として残っているのが「朝鮮籍」なのだそうな。

そして52年のサンフランシスコ講和条約で、日本政府は旧植民地出身者の日本国籍喪失を宣言。無国籍状態の人たちが国内にたくさん発生することになったのですね。で、65年に日韓条約が結ばれた後は、韓国籍を取る人が増えたそうです。(2012年発行のこの本には、執筆時点で在日朝鮮人の80%が韓国籍、残りは記号としての朝鮮籍を持つ無国籍の人たち、とのこと。)

この辺の歴史は何度も読まないとなかなか頭に入ってこないのだけど、改めてこの本を読むと、韓国併合に至るプロセスや日韓条約が持つ問題点など、これまで読んだ本とはまた違う視点で書かれていて面白い。同じ歴史を扱う本を複数読む面白さって、こういうところですね。

で、(韓国籍を持つ人という意味での)在日韓国人、(記号としての朝鮮籍を持つ)在日朝鮮人ということを読みながら、あれ、ということは、朝鮮人学校ってどういうこっちゃとわからなくなり、再び検索。

日本に定住するコリアンの子どもにおける学習権」という2012年の論文が公開されてました。韓国・朝鮮学校の歴史から在日民族学校の類型と内容比較など、勉強になったー。

あと第3章の「教育の保障」では、日本における国内法と国際法の整合性の問題や、教育助成金と税制上の優遇措置に関することも書かれていて、これはまたじっくり読みたい。第5章の「これからの在日コリアン教育」とかも、まだ駆け足で読んだだけだけど、これが無料で公開されているのありがたやー、という内容です。

読むぞー

ちなみにこの論文では「在日コリアン」という表記になってました。『在日朝鮮人って〜』の中でも、民族や言語(NHKの語学講座がハングル講座である理由など)の呼び方についての記述があって、植民地支配を受けた上に南北分断まで経験している朝鮮の歴史の複雑さが書かれてたなー。

ふー。

あと、さらに読みたい本が出てきて、後日3冊届く予定。

もうこのトピックは、自分的にエンドレスな気がしています。

(編)

 

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