札幌演劇シーズンの演目として、7/23(土)まで札幌市こどもの劇場やまびこ座で上演中の『OKHOTSK オホーツク -終わりの楽園』。

の、見どころ等についてはこちらにすでに書いたので

今回はゲストとして出させていただいた、初日アフタートークのご報告(結構な長文)を。

画像引用元 https://www.facebook.com/yamabikoza/

画像引用元 https://www.facebook.com/yamabikoza/

初演から欠かさず見ている『オホーツク』は、私が一番好きな舞台作品と言っても過言ではない作品です。

アフタートークに出ることが決まってから、「なぜ私はこの作品がこんなに好きなのだろう?」とずっと考えていて、「あ、そうか」と思った以下のことを、トークで話させていただきました。

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まず、本作の再演時に書きましたが、『OKHOTSK オホーツク -終わりの楽園』自体が文化の坩堝のような作品である、ということ。(これについては、こちらのブログをどうぞ)

★そして、時代も国も異なる出自の表現を取り入れて、素晴らしい一つの芸術作品に仕上がっている本作のあり方は、異質なものが排除されがちな昨今の社会において、私たちにあるべき姿を指し示していると思えること。

★さらに、「時代も国も異なる出自の表現」の担い手が、札幌にいたということ。(これが地味にすごいことだと思う。)

比羅夫の三人遣いを担当したのは、札幌で20年前から人形浄瑠璃に取り組む「さっぽろ人形浄瑠璃芝居あしり座」のメンバーです。

ゼロからのスタートにもかかわらず、今では海外公演や教文大ホールで公演を行ったりしていて、その情熱と継続の力は本当にすごい…(そして本作の比羅夫は、生き生きとしていてとても格好良い。)

また、沢さん曰く「オホーツク用にいろいろな音楽を聴いたけど、どれもしっくりきていなかったところに、バロック音楽はすごくはまって、台本をバーッと書き始めることができた」(←記憶が曖昧ですが、多分こういった感じのこと)

という、バロック・コレギウム・サッポロも。

劇中で使用される有名なフレンチ・バロックの数々を、すべて生演奏で聴けるという贅沢!

いやー、あしり座とバロック・コレギウム・サッポロの皆様には、本当にありがとうと言いたい。

研鑽と蓄積によって、できる作品の幅が広がっていくんだなあ〜。

★あと、今回やまびこ座ということで能舞台はなくなりましたが(能のエッセンスはそのまま残っておりますのでご安心を)

教文大ホールでの上演に関して、通常、能舞台で浄瑠璃が演じられることはないそうで。そういった能舞台の使い方も、札幌だからスルリとできてしまった部分があるのではないかと。

伝統は尊重しつつ、新しいことのやりやすい札幌の良さが発揮された作品でもあると思います。

『オホーツク』はセリフのない作品なので、「made in Sapporo」の名作として、今度はぜひ海外の演劇祭などで上演されてほしいですねえ。

さて。

まだ続きます。

★最後、本作には札幌の劇場の「育成の成果」も発揮されている、ということ。

これは何と言っても、沢さんを講師に2009年から3年計画で行われた札幌市教育文化会館のWS「FAT!S(フィギュアアート・シアター!札幌)」が大きいと思います。

『オホーツク』で影絵を担当されている黒川絵里奈さんも、このWSがきっかけで本格的に作家活動を始め、その後の札幌での沢さん作品に欠かせない方に。(北海道ファンマガジンに載っていた彼女のインタビューはこちら

初演と再演時には、このWS経験者の何人かが役者として出演されていましたしね。

あ、

トークでははしょりましたが、「WSの最終年である2011年に、演目や手法をガラリと変えて〜」と話していた部分、WGのWEB ORIGINALで沢さんにインタビューしておりますので、気になった方はこちらをお読みください。(←今読み返しても結構いい内容じゃないかと…自画自賛。)

もう一つ、こぐま座とやまびこ座の育成も。

小学3年生の頃からこぐま座で開催されている人形劇講座に通い、中学からは、やまびこ座で開催されている人形浄瑠璃講座も受講している粒選りのメンバーがいるのです。(彼らはこの春から大学生に。めでたい!)

『北海道の人形劇シリーズpart1 新☆アイヌ・ラッ・クル伝』では沢さんと一緒に作品づくりをし、(レポート記事はこちら。『オホーツク』に出てきた鮭も写ってますよ〜)

『オホーツク』でも演者として頑張っておりました。

彼らが今後どんな作品をつくっていくのかも、楽しみであります。

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すごく長くなってしまいました…。以上のことを話した結果、トークでは一人マイクを独占してしまって恐縮です…。

いやはや。

1000人規模の教文大ホールから、大人だと150〜200人(かな?)規模のやまびこ座に移ったことで、人形の細かな所作をより楽しめるようになった『オホーツク』。

能舞台のある大ホールならではの緊張感も素敵だったけど、美しさはそのままにやまびこ座ならではの丸みと親しみやすさが出た『オホーツク』も、子どもと一緒に楽しめる雰囲気で素晴らしい。

初演、再演、再再演と見続けることで、劇場(キャパや雰囲気)が作品に与える影響を感じることができたのも収穫でした。

さて。

本当に長くなってしまいましたが、『オホーツク』は23日(土)まで。

スケジュールと予約はこちらからどうぞ〜。

(編)

 

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