最終日は、舞台芸術財団演劇人会議のツアーにお邪魔させていただくことに。
最初は、昨日も触れた豊岡市のコウノトリ野生復帰プロジェクトの一つである「豊岡市立 ハチゴロウの戸島湿地」へ。
全然見えないと思いますが、中央の人工巣塔の上にコウノトリがいる様子↓。
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もともとこのエリアは低海抜の沼地が広がり、米農家さん泣かせの土地だったそうです。
湿田の耕作はとても大変なため、乾田にするためのかさ上げ工事をし、その工事の順番待ちで稲を植えずに湿地状態になっていた一角に、大陸から飛来したコウノトリが入り浸るようになったことが、この戸島湿地をつくるきっかけとなったそうな。
農家さんは「工事予定地の半分は予定通り嵩上げ工事を行い、残る半分はコウノトリの環境にするために市に提供する」ことを決断し、田んぼはコウノトリの餌場に生まれ変わることになったという、ステキな誕生秘話。(詳しくはこちらを
プラス、「コウノトリ育むお米」もブランド化。お宿でいただきましたが、美味しかった!
コウノトリは採餌の際に稲を倒してしまうなど良い話ばかりではなく、「採算が合わないから…」と従来の農法に戻る人ももちろんいるそうですが、無農薬で「多くの生きものによる「命の循環」がにぎやかに行われる田んぼ」って、すごくいい。
初めて見たコウノトリ(翼を広げると2m)は、存在感ありました。
お次は、2005年に豊岡市に合併されたお隣の地区、出石へ。
ランチは皿そば
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玉子・とろろ・ねぎ・大根おろし・わさびなどの薬味でいただく。
その後、1901年に開館した近畿最古の芝居小屋である「永楽館」へ。
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もともと、お隣に住む地主さん?が大の芝居好きで自身の一座を持つに至り、その上演場所として建てたという永楽館。
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芝居小屋から映画館に用途が移り、1964年に閉館してからも、大家さんがそのまま大事に建物を保管し続けたことから、なんと2008年に大改修されて復活。
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なもので、天井の板も壁の落書きも、当時の面影がそのまま残っていて、素晴らしい。
若い館長さんによる、調子良い感じの解説も楽しいです。
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二階の一番良い席(田口さんが座ってるところ↓)に座るお客さんは、桟敷席のお客さんから品定めをされていたそうな。
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奈落に設置されている廻り舞台装置は、当時のままの人力。なので現在の公演時も人力。
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花道(左側)が100年以上前の板、右側が改修時の板で、色が違う。
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「ここを跨げば、100年もの時空を超えることができます」とは館長さん。
後ろの2階席はこんな感じ。
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床が傾斜しているのが印象的。今なら階段状にするところですが、昔は傾斜だったのね。
毎年秋には永楽館歌舞伎が上演されており、片岡愛之助さんが座頭を務めているそうな。趣ありそう〜。
そんなこんなでツアーが終了。札幌組はここで皆さんと別れて、大阪国際空港へ。
平田さん、藤村さん、閔さんにお誘いいただいたおかげで、とても良い時間を過ごすことができました。
次は、2019年に利賀で開催されるシアター・オリンピックスに合わせて、利賀村視察に行きたいな。(ようやく行ける!)
というか、シアター・オリンピックス。
人口数百人の利賀村で20カ国30プログラムが上演されるのもすごいなあと思うけど、同時にロシア・サンクトペテルブルクでもオリンピックス開催らしく、創設者の鈴木忠志さんのブログを見ると、プーチン大統領にも会ってきたというくだりが。
スケール大きいなー。
地方だと、あとは宮城聡さんが芸術監督を務める「静岡県舞台芸術センター(SPAC)」も素晴らしいし、
鈴木忠志さん、平田オリザさん、宮城聡さん、中島諒人さん(鳥の劇場)は世代的に上だけど、
70年代生まれの人だと富士見市民文化会館「キラリ☆ふじみ」の芸術監督を務める多田淳之介さん(東京デスロック主宰)とか、京都にアトリエ「アンダースロー」をオープンさせてカルチベート・チケットも導入している三浦基さん(地点)とか、パッと頭に思い浮かぶ。
札幌だと、やっぱり北海道演劇財団と付属カンパニーの札幌座が、そういう存在にあたるのでしょうか。彼らが韓国・サハリンとの交流で劇団を招聘してくれたおかげで、素晴らしい作品にも出会えたし。
まちと演劇。民間による公共。か〜
というようなことを考えて、唐突に終わる。
(編)
 

 

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