先週末はいくつか演劇を見まして、まず一つ目はこちら。

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シアターZOO企画公演『女と男、座面と境界』

シアターZOOの新進劇作家育成プログラムの最終課題として、芸術監督・斎藤歩が3人の劇作家に指定した課題は、女と男の二人劇。舞台上にはベンチとフェンスのみ。30分。という縛り。小佐部・竹原・前田の3劇作家が、3話連続で3つの物語を上演します。

「命の漂泊」小佐部明広
「尋ねもの」竹原圭一
「チース」前田透

次世代の劇作家が、女と男の台詞で勝負する90分です。

トップバッターは『尋ねもの』。女性が、宿までの道順を男性に書いてもらうために手帳を渡したとき、「あ、他のページは見ないでください」ってわざわざ言っちゃうあたりが面白かったなあ。

台詞だけの話をすると自分的には「うーん?」という感じだったのだけど、最後に男性が一人、フェンス越しに遠くの女性へ話しかける時の空間の雰囲気は、何か微かな余韻を残すような、新鮮な手触りだったのでした。

次は『命の漂白』。

「自分のような何の役にも立たない存在が、生き物の命をいただくなんて申し訳ない」という思いを抱く妹と、「お金のなさ」ゆえの割り切り感?…あの兄の感じを表現する言葉が難しいな…何というか…悪人じゃないんだけど、お金がないゆえに何かが欠落してしまった人…?

二人のやり取りには悲しい「今」感が凝縮されていたのだけど、じゃあそれに対してどう抗っていけばいいのか…作者の意思を感じさせるものがほしい、と思いました。

「今この状態のヤバさを見てどう思う?」だけで終わるのではなく、「でもそれに対して自分はこう抗いたい」という一筋の意思。

ヤバイものを見るだけなら現実世界だけで十分なような気もしていて、そんな現実の中でだんだん無力感を覚えがちなところに、「いかに抗うか」をほんの少しでも忍ばせてくれたら。同時代を生きる者として勇気付けられるし、じゃあ自分はどう抗うか改めて考えることにもつながるんじゃないのかなあ。少なくとも、自分はそうです。

最後は『チース』。

そこで交わされる言葉の何とも言えないリズムが、役者さんの雰囲気とも相まって、見ているうちに知らず知らず世界にはまっていく心地よい演劇体験。

前田透さんが代表を務める劇団・木製ボイジャー14号は2014年に旗揚げだそうで、実は一度も見に行ったことがないのですが、普段の公演もこの独特のリズムなのかな?

彼らはTGRで公演があるようなので、見に行ってみようかなと思いつつ。

この企画公演、当日配布の斎藤歩さんの挨拶には「もし同じテーマで今40代の清水友陽・櫻井幸絵・すがの公・弦巻啓太たちに創作させたらどんなものを創るのか?50代の斎藤歩やイナダさん、納谷真大、鈴井さんが創作したら…。」と書かれてて、「あ〜、それは見てみたいなあ」と。

ということはさておき、ズラズラーッと並んだ名前を見てふと思いましたけど、女性って櫻井さんしかいないな。

札幌って、女性で脚本を書くのって、他は畠山由貴さんぐらいですか?あれ?まだ他にもいるのかな?

(編)

 

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