5/15まで開催中の国際オンライン演劇フェスティバル(IOTF)。昨年に続いて2回目の開催で、テーマは「in a world where you can be anything…(なんでもできる世界で)」。

「地理的な境界も国家という単純化されたアイデンティティ等もぼかすことのできるオンライン上の空間で、共に考えるコミュニティをもたらすことを目的としたフェスティバル」とのこと。

いろんな国からの選出作品を見ることができるけど、その中で今年の特集として5作品ずつピックアップされているのは、ベルリンのシャウビューネ劇場と、モスクワのエレクトロテアトル・スタニスラフスキー(2015年に新たな芸術監督の元、名前を変えてオープン)。

シャウビューネ劇場の芸術監督はトーマス・オスターマイアーで、去年東京芸術祭で『暴力の歴史』という作品を上演していたのですね(劇場についてはこちら参照)。IOTFでの配信作品も見てみたかったけど、限定公開で日本時間だと朝方くらいまでの公開で見れず。

で、エレクトロテアトル・スタニスラフスキーの方はやっとこさ、『PSYCHOSIS』を拝見。イギリスの劇作家サラ・ケインの遺作である「4.48 PSYCHOSIS」をAlexander Zeldovicが演出。

観劇前の予習として「4.48 PSYCHOSIS」で調べてみたら、2009年のフェスティバル・トーキョーで飴屋法水さんの演出で上演された時のプレス資料を発見。なるほど。

この作品を完成させた1週間後にサラ・ケインは自殺してしまったそうで、いざ見てみると、詩のような断片的な言葉の連なりとはいえ、苦痛とともに崩壊していく精神世界の描写が結 構 きつい。(赤い雌ゴキブリの映像もきつい…)

最後は「私が消えるのを見て」と訴え続けて終わるという…うおー

こちらの記事を拝見すると、「イギリスの劇作家であるサラ・ケインの作品は、遺族の希望により、上演に際しての大幅な改変・削除が一切認められていない」そうで、日本語バージョンも何かの機会に見れるといいなー。

エレクトロテアトル・スタニスラフスキー版は女性19人による舞台だったけど、飴屋版の出演は山川冬樹さんなんですよね。どんな舞台だったんだろう…気になる!

他の配信作品にはポーランドやウクライナ、レバノンの作品もあり。残りの期間で見てみたい。

ちなみにIOTF、演出家等を招いてのトークはZoomにて開催、質問フォームやツイッターでのハッシュタグなどで質問も送ることができ、トーク開催場所もニューヨーク、イギリス、ヨーロッパと、確かに境界を超えてる感。

ポッドキャストなんかもあって、結構ここから深掘りしていけそうです。

それにしても。

IOTFは、コロナに関係なく、オンライン上の演劇を通じた対話を模索すべく2019年にスタートしたフェスティバル(だと思うの)ですが、今このタイミングでこういうフェスの存在を知れたことは良かったです。

多分、新型コロナ流行による外出自粛〜の流れがなかったら、自分の場合、「オンライン演劇フェスティバル」にここまで食指が動かなかったんじゃないかなあ。

でも外出できない立場になってみて、「その場に行くことができる」ことも、一つの特権だったなとしみじみ思ったというか。

金銭的、身体的、社会的、(場所によっては政治的)、な様々な理由で「その場を動けない」人たちがいて、でもそういう人たちでもインターネットさえあれば、誰でも世界の演劇につながることができるって、なんて素晴らしいことなんだ。

なんというか、これからは

演劇が劇場で上演されるとともに、その作品を映像として残すことにも力を入れるようになっていって、それがこうやってオンラインのフェスティバルで配信され、世界中の人たちがオンライン上の演劇コミュニティでつながれる機会が増えていったら素敵だな。

(映像として残すようになると、翻訳や映像編集等、一つの演劇作品から新たな雇用も生まれるし。)

配信用の演劇作品はその場で見る演劇とは違うけど、それができない人たちにとっては重要な「世界への扉」であるわけで。むしろ「上演する演劇」にはできないことを、配信用の演劇作品は担えるというか。

世界には本当にたくさんの劇場(劇団)があり、こ ん な 演劇作品がつくられているんだ…!と知ることは、私にとってもう学びの宝庫というか。

だから、たとえ「その場を動けない」としても、世界中に好きな劇場が増えていくことは、すごくポジティブなエネルギーをその人に与えてくれるんじゃないかなー。少なくとも私はそうです。

演劇をフックに、それまで知らなかったことを知っていく日々、よきかなよきかな。

(編)

 

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