Netflixを開くたびに目にしていた『愛の不時着』。

最近北朝鮮のドキュメンタリーをいくつか見ていて、『愛の不時着』では北朝鮮がどのように描かれているのか、という興味から見始めたのですが
もーーーロマンチック要素てんこ盛りで、まーーーーーーーーー悶えました…。北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョクを演じたヒョンビンは文化財というか世界遺産に…。
ということは置いておくとしても、悶え要素以外の部分でむしろ印象的なシーンがたくさんあって。
それは例えば、ファンタジーの粉砂糖をまぶしてはいるけれど、北朝鮮の(平壌以外の)生活のしんどさだったり。
病院に輸血用の血液がないとか、インフルエンザで高熱を出した我が子を病院に連れて行くも、病院には薬がなく、市場で買ったワクチンは偽物だとか。田舎の方だと、女性が「誰々の妻」ということでしか自分の社会的地位を担保できないのも、しんどい。(平壌だと、音楽家を目指すソ・ダンのように、女性の新しい生き方が示唆されてた。)
正義は賄賂の前にあっけなく翻るし。
そういう状況で、例えば「耳野郎」と呼ばれる盗聴専門のマンボクが「自分を大切にしてくれた人を死に追いやって、自分を軽んじる人たちに対して忠誠を尽くさなければいけない」ことに苦悩するシーンとか、良かったなあ。
なので、「守り方の最新理想形」を提示したリ・ジョンヒョクにやられつつも、自分の中で強く印象に残ったシーンは、やっぱりロマンチックではないシーンなんですよね。
パッと思い浮かぶのは
リ・ジョンヒョクを連れ戻すためにソウルへ派遣された第5中隊の4人組&マンボクが、韓国版KFC的なお店で「資本主義に踊らされるな」云々を話しているとき、テレビでサッカー日韓戦が流れて、店内のソウルっ子と一緒に韓国を応援するシーン。
韓流ドラマファンの中隊員ジュモクが、セリの計らいで、大大大ファンのチェ・ジウとサプライズランチをするシーン(チェ・ジウが本人役でカメオ出演)。
人民班長ナ・ウォルスク(演じたのはキム・ソニョン)が言う、「好きな人を胸に刻んでしまったら一生残って苦しい思いをするから、頭に刻みなさい。記憶はいつか薄まって忘れることができるから」みたいなセリフ。いいこと言うわ…。あと、ユン・セリが「愛するとは、どういうことなのだろうか」と自問するシーンも好き。いいこと言うわ…。
ク・スンジュンが追っ手から逃げて、市場で孤児に匿われたとき、子どもたちの口ずさむ歌(自分が死んだら、誰が悲しんで埋葬してくれるのだろう、みたいな)に自身を重ねて涙ぐむシーン。
あとソ・ダンの母役で出演していたチャン・へジンも良かったなあ。見ているときは全然気づかなかったけど、この方、『パラサイト』のお母さん役の人なのですね。叔父役のパク・ミョンフンも『パラサイト』のあの役と知り、へー!と。全然わかんなかった。

本作のドラマを支えているのは「南北の分断」という事実なわけで、それは日本が朝鮮を植民地化したことに端を発しているわけで、もし植民地化していなかったらどんな朝鮮になっていたんだろうと思わずにはいられないというか。
南北統一…が無理でも、せめて南北で行き来をできるようになるとか…どうなのかなー。うまく言えないけど、ドラマを通じて作り手の「分断ではない未来への願い」みたいなことも感じつつ。
「願っていれば、きっといつか実現する」みたいなリ・ジョンヒョクのセリフは、何も恋愛に限った話ではなく、もっと大きな射程で発せられていたように感じたのでした。
と同時に、ロマンチックなシチュエーションに悶絶もできるという、すごいドラマだった…。
と同時に、北方線限界付近の海上で、北朝鮮軍が公務員の韓国人男性を射殺するニュースを見て、現実にかえったのですが。
次はー
この記事を見て気になった、ソン・イェジン主役の別ドラマ『よくおごってくれる綺麗なお姉さん』を見たい。(当時韓国で「死んでいた恋愛細胞を覚醒させる作品」とまで言われた、ってすごい…)
あと、『北朝鮮入門』が届いたので、こちらも読みたい。
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あと韓国、地味に一度も行ったことがないので、ダンス系のフェスに合わせて旅行に行きたいな〜。海外はあと2年くらいは我慢かな〜。
(編)

 

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