前回に引き続き、見た映画と読んでいる本。

10/23(金):ナ・ホンジン監督『チェイサー』(2008年)@Netflix

『1987、ある闘いの真実』の記事をいろいろ読み直していたときに、南営洞警察のパク所長と、彼と対峙するチェ検事を演じた、キム・ユンソクとハ・ジョンウの共演作ということでチェックした映画。(二人は2012年にも同監督の『哀しき獣』で共演しているのですね。こちらも見てみたい。)

ハ・ジョンウ…チェイサーの連続殺人犯は…もう最悪だった…。キム・ユンソクの演じる元刑事も決して良い人間ではなく(元はと言えばお前が!って感じだし)、警察も最悪。しかも、実話が元になってるとは…。

後味悪すぎて、えらいダメージを受けました。やるね!ナ・ホンジン!

10/24(土):『マルモイ ことばあつめ』@シアターキノ

『タクシー運転手 約束は海を越えて』の脚本を手がけたオム・ユナが脚本・監督。これはもう、さらにいろいろ学びたくなる、力あり過ぎな映画で、目が腫れた…。

映画を見たときは、最後に流れる「その後」みたいな文章中に出てきた「韓国語」という字幕に、ここは「朝鮮語」か、せめて「ハングル」じゃないのかなーと違和感を覚えたのだけど、文脈を覚えてないんだよなー。

ブログを書くにあたって、いくつかWEB上の記事や論文に目を通してみたのだけど、

改めて整理すると、朝鮮語学会が朝鮮語辞典編纂のために1929〜42年に作成した原稿は、一度日本の警察に押収される?(経緯については諸説見つけたので正確なところはわからない)のだけど、1945年9月にソウル駅の朝鮮通運倉庫で発見されたそうで(映画にもそのシーンが出てきて、フィクションかと思ったら、発見されたのは事実だった…すごー)。

そうして辞典編纂作業は独立後の韓国で続けられ、ハングル学会が47年に「朝鮮語大辞典」を刊行したのですね。(47年の一巻発行と、2巻以降の発行については、こちらに詳しく書かれてました。)

となると、「韓国語」の字幕も妥当なのかな。でも、分断前の言葉を集めて編纂したわけだしなー。あー、映画の文章をもう一度確認したーい。

ちなみに独立直後の北朝鮮では、言語学者による「朝鮮語文研究会」ができたそうで、同志社大学のコ・ヨンジン氏による2002年の論文「草創期の北朝鮮における言語政策と辞典編纂」によると

植民地時代に朝鮮語学会を実質的に率いた李克魯が 「朝鮮語文研究会」の委員長であり、また朝鮮語学会事件で獄死した李允宰の婿で、1956年に『 チョソノ ソサジョン(朝鮮語小辞典)』が出るまでに北朝鮮 で利用されていた辞典(李秉根2000:272)として知られている 『 ピョジュンマル サジョン(標準語辞典)』の編纂者でもある金炳済も北朝鮮にいた。このような様々な条件が折り重なりながら、独立直後から朝鮮戦争が勃発するまで、辞典編纂も含めて、北朝鮮の言語政策が展開されたのであった。

とあり。へー!49年には原稿が完成したけれど、朝鮮戦争が勃発したため印刷は中断。

で、

戦争が終わった直後の1954年に、まず朝鮮語学会の「ハングル綴字法統一案」を部分的に修正して使っていた綴字法規範を『朝鮮語綴字法』として統合して制定・公布した。そして、比較的時間のかかる規範文法や辞典の編纂も進められるように なり、1960年には『朝鮮語文法1(音韻論・形態論)』が、そしてまた1962年 11月には6巻からなる『朝鮮語辞典』が、相次いで刊行され、かくして草創期の言語政策は一段落することになったのである。

だそうな。へー!

あと上の論文で、「民族共通語の完成という課題は、朝鮮半島の言語史的な面においても簡単な問題ではなかった。」と書かれていて、朝鮮半島の言語史が俄然気になりつつ。あと独立以降の言語政策についても読んでみたい。

日曜日は『マルモイ』の後に『スペシャルズ!』も見ました。

ダンス作品シーンの美しさよ…。映画を見た後に、公式サイトのプロダクション・ノートを見て、じんわり。良い映画だったな〜。

本作、原題は『Hors Normes』。標準の外、的な?邦題は内容を鑑みても、なんかちょっと違うな…(これは邦題あるあるだけど、何て言うか、「映画にこういうことを求めてるよね?」という解釈が邦題に反映されてて、自分的には「そこは求めてない」って感じでしょうか。)

10/25(日):読書日。読み始めたのは、北朝鮮内部のジャーナリストによる取材報告『リムジンガン』。

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これ、超面白いです。読み終わったら、詳しく書きまーす。

読書スペースも気持ち良くて、最高です。

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(編)

 

 

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