昨日は、夜にG.Chiaro presents ドラマティックコンサートvol.3 〜行け、黄金の翼にのって〜 へ。
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開演して、一曲目ヴェルディのオペラ「椿姫」から「乾杯の歌」を普通に聴き、おお〜と拍手していたら、舞台に男性が出てきまして、いきなり「こんにちは〜!」(地声ですが良い声)と。
パンフレットをチェックしていなかったのですが、この方は藤原歌劇団総監督の折江忠道さんで、二部のオペラ「トスカ」2幕「トスカの接吻」では、警視総監スカルピオを演じる方でした(上のチラシ画像の右上の方)。
折江さんはもう16年もの間、札幌に通って札幌オペラシンガーズで声楽指導をされてきたそうで。
メモできなかったので正確ではないのですけど、冒頭は、海外や東京から有名どころを呼んでるだけでは地方のオペラ文化は廃れてしまう、というようなお話で。
決して潤沢な予算があるわけではない中、そりゃあ衣装や大道具は簡素かもしれないけれど、札幌には素晴らしい実力を持った若手オペラ歌手が出てきていると。
そして、オペラ歌手を育てるのは、何と言っても彼らの歌声を聴く観客の存在だと。
なので、今日集まったお客さんには、ぜひ今日の出演者の中から「いいな」と思う人を見つけて、その人の追っかけになってほしい。
という、熱意がバシバシ伝わってくる挨拶をされたのでした。

台が一つ置かれただけのシンプルな舞台セットで、ロッシーニのオペラ「セビリャの理髪師」ハイライトが始まったのですが。
なんか、本当に心からの思いを込めて語られた言葉の力と言いますか、
折江氏の「地元の若手を応援してほしい」という願いが、見えない舞台美術となって満ちているかのような、何とも言えない温かなまばゆさの中で高らかに歌うフィガロ(大野浩司さん)。
という図が、すごく良かったのです。あれ、グッときたなあ。
あと、リンドーロがロジーナに伯爵であることを告白して、「ロジーナ〜!リンドーロ〜!」と盛り上がってるシーンでは、フィガロの仕草が何ともチャーミングな演出。
演じた大野浩司さんは、オペラ版・浜田純平さん(もはや札幌にとどまらない活動をされてますが、存在感ありまくりの注目ダンサー)チックな芸の細やかさでした。
この例え、オペラ側の人が見てもナンノコッチャかと思いますが、ダンス好きな人なら「オペラ版で、浜田純平さんってどおいうこと?」って気になりますでしょ?うふふ。
続いて、トスカの接吻。
トスカ(倉岡陽都美さん)が悲しみに打ちひしがれて歌う、歌声の美しさよ…。
最近仕事で能について考えてたこともあるけど、人間の宿命というか、さまざまな感情をギュッと濃縮させる術って、本当にすごい。まさに芸の術。
あと倉岡さんは、プログラム最後を飾ったヴェルディの「ナブッコ」から「行け、わが想い黄金の翼に乗って」の導入ナレーションもなさったのですが、語りの声も素敵でした。
満足!
あ、ちなみに札幌オペラシンガーズと言えば親子で楽しめるオペラコンサートが人気ですが、今年のクリスマス(24日)には、なんとkitaraの大ホールで無料コンサートをするそうですよ。
詳細はkitaraの公演情報ページからどうぞ。ハガキでの事前申込制で、申込ハガキはkitaraのページからダウンロードできます。
kitaraで久しぶりにコンサートも聴きたいなー。あと地味にまだhitaruでオペラを見ていない…。hitaruに入ったのは『PRIMITIVE』を見たときだけかあ。来年はhitaruオペラデビューしたいっす。
(編)

 

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