前回の続きで、先週末は、しばらく続いてる北朝鮮&韓国ブームにどっぷり浸かった2日間でした。
まずはようやっと読み終わった『北朝鮮入門』。
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冷戦期以降、日本とソ連や中国や韓国、アメリカとソ連や中国、韓国と東欧諸国やソ連、の国交正常化に伴って、北朝鮮と日本、韓国間が近づいたり遠のいたり。
政治の世界でうまく行っていない間も、民間交流は活発化したり。90年代のはじめ頃は、JTBなどの大手旅行代理店が北朝鮮ツアーを実施していたとか。今も、てっきり北朝鮮には観光で行くことはできないと思っていたのですけど、行こうと思えば行ける(ビザが必要)のですね。(こちらの記事も参考にどうぞ)
本書を共同執筆した礒﨑敦仁さんは『北朝鮮と観光』という本も出していて、こちらも読みたくなりつつ。
あと、北朝鮮社会の人々の暮らしのことも。北朝鮮のドキュメンタリーを見始めた頃は、洗脳されたロボットのような人々のイメージを持ってしまっていたけれど、もちろんそんなことはなく。
相互監視の社会だから表立ったことは言えないし、何かをしたら家族や親族全てが罰せられるという連座制で、生き延びることに専念しないといけないから余計なことは考えないようにする、というだけで、当たり前だけどそこに暮らしているのは一人の人間で。韓流がこっそり人気、とか。
中国との国境近くの村だと海外のラジオも聴けるようですし、中国経由で国の綻びがどんどん大きくなっていけばいいのに。
韓国との関係も実に勉強になりました。経済的な観点からも、統一は楽じゃないんだなあ。
で、本書を読んだ後に見たのが『工作 黒金星と呼ばれた男』

背景がわかるので、面白さ倍増。
本作は、92年からスパイとして活動した黒金星と、98年に大統領選に勝った金大中の選挙戦の裏側(「北風」が実は当時の与党が金大中に勝つために働きかけたものだったとか)を絡めつつ、北朝鮮側の高官と黒金星がともに祖国を憂う一人の人間として友情を結び、そのことがもたらす最後にグッとくる作品で。
黒金星は実在する人物で、本作は彼の手記を元にしていることもあり、派手なアクションシーンなどはないけれど、その分史実と重ね合わせて見れるところが多くて、すごく面白かったっす。
あとは、『北朝鮮入門』の中で触れられていた『クロッシング』も見てみたいんだけどな。

オンラインでは見れなさそう。
あともう一冊、読んだ本は『82年生まれ、キム・ジヨン』。
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いやー、人って、疑問に思いながらも飲み込んできた言葉や、やり過ごしてきた事柄が、たとえ普段は忘却の彼方に沈んでいたとしても。
それが不意に目の前に現れると、胸を突かれるんだなあ、としみじみ。
ミラーリングといい、必読の一冊…
 
世界が父系ではなく母系社会をメインに発展して、女性権力者による宗教が発生していたら、単純に現在の男尊女卑観がただ逆転したものになっているのか、それともまた全然違う価値観ができていたのか、どちらなんでしょうね。
そして、今から100年後の社会は、どんな価値観が一般的になってるのかなー。
(編)
 

 

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