行ってきました、HDP公演「新たなる挑戦(NEXT ONE)」。
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7回目となる今回は、タイトルをこれまでの「New Challenge」から「NEXT ONE」に変更して開催。
全国公募で選ばれた20作品が発表され、その場で舞踊評論家の乗越たかおさんNew Dance for Asia(NDA) International Festival 芸術監督のユ・ホシクさん、ゲストダンサーがコメントするという「公開アドバイス」をメインに、
前回のNew Challenge賞(別名:乗越さん賞)受賞者作品、ゲストダンサー作品、HDP合同作品が発表されるという盛り沢山の内容です。
で、私は昼の部の10作品を拝見。
岩間華奈子さんの『ここにけむる』は、ランプを口に持った時の見え方(身体のシルエットと宙に浮かんで見えるランプ)が面白くて、もっとランプの光と身体の関係を見てみたかったなーと。スッと入っていける物語性のある作品でした。
満藤弘さんの『SCROLL』では、スーパーマリオブラザーズの音楽の偉大さを感じつつ。横に流れていく映像に合わせて動きも主に横に流れていたのですが、個人的には縦の動きや、もっとランダムな動きの展開があった方が、ゲーム感があって楽しさが倍増しそうだなあと思いました。
山田裕貴さんの『S』は、去年のアドバイス作品での乗越さんの「仮面を使って二面性を出すのは使い古された手法なので、使う以上は観客の予想を裏切る1アイデアがないと安易。仮面を外したあとの動きの質はガラリと変えて、身体の周りの空気も変えるぐらいでやらないと。」というコメントを思い出しながら拝見。
奈良井朝晴さんの『彼方』は、冒頭「この次どう動くんだろう?」と思わせる始まりだっただけに、壮大な曲調になってからの展開は、やや予測可能になってしまった感が。
渡辺絵さんの『To You and Me, From a sinner.』は、語り(英語)と動きが、手話的に同期した時、気持ち良さを感じた作品。自分の中で手話はダンス。
この作品はゲストのインスさんがコメントしたのですが、「自分は振付で、踊りは別の人にした方が良かったのでは」と言ってたのって、単純にテクニック面のことかな?外から見て、より緻密に構成されることで、もっと表現に奥行きが出ると感じたのかな?
森嶋拓さんの『追憶』は、ホシクさんの「思い出は甘さだけが目立ちがち」という言葉に共感。なもので、そういう気持ちを盛り上げる音楽じゃなくて、「ノイズなどが混じっても効果的だったのでは」というところも納得。(でもそうなると、好みが分かれそうですね。)
平雛子さんの『ういら売りせりふ』は、歌舞伎の演目『外郎売』のリズミカルな早口言葉と、それに乗った身体の動きがとても楽しい作品。二人で演じて、あの早口言葉をピッタリ合わせてくるの、すごいな〜。
ちなみに、乗越さんの「語りも声帯という筋肉を使っているので、ダンス」という言葉に「なるほど!」となった私。さらに、「面白い動きを取り入れてみたというレベルに収まっていたのが残念。各人の個性、キャラクターを生かす動きを作っていってほしい」というハイレベルなコメントで、それが実現した『ういら売りせりふ』は、ぜひ見てみたい!と思った次第。
近江貞実さんの『移民の歌』は、音楽や雰囲気に自分的に好きな要素がありつつ、何か一つ引っかかるようなところがなく、そのまま終わりまで流れてしまった印象。
彼女たちは愛知県からの出場だったのですが、こういうタイトルの作品、北海道組にこそ取り組んでほしいな〜と思いつつ。土地の歴史に接続するようなダンス作品があるとしたら、それはどんな作品になるのでしょうね。
長谷川暢さんの『なるほど』は、太鼓の演奏から始まって、次が読めない独自性に「おお〜」と思っていたら、まさかの!マイクとサングラスで熱唱、からの、やっぱり太鼓!
というエンディング。
先ほどコメントに出てきた「各人の個性、キャラクターを生かす動きってこういう展開のこと?」と思ってしまった私です。
で、休憩を挟んで、昨年受賞者の堀尾健二さんの『An odd man』。昨年はトランクと絡んでいた堀尾さんですが、今年は椅子との共演。「物との絡み」をこのまま追求していってほしいです。
(最後に椅子を高く投げた時が気持ちよかった。)
ゲストのLee InSoo(イ・インス)さんの作品は、動きはもちろんなんだけど、手に持ったライトで全く雰囲気の違うシーンを差し込んできたのが面白かったです。

(↑動画は即興バージョンで、今日の上演作とは違うもの。)
そして最後は恒例の合同作品。正汰郎さん振付のシーン5、格好良かったな〜。
夜の部の本田大河さんの作品なんかも気になりつつ、結果を楽しみに待っていたのですが、乗越さんツイートより
NEXT ONE賞(乗越たかお選出)長谷川暢
NDA賞(ユ・ホシク選出)平雛子
とな。おお〜。
今回は席が乗越さんと近くて、休憩中にお話できたのも嬉しい。韓国のダンス事情を聞けたのも興味深かったです。今年はNDA International Festivalも見に行きたいなー。夏のソウル。
何となく思ったのは、ものすごい量を見ている人は、作品を受容する懐が広くなるんじゃないのかな。そこそこの量だと、逆に視野が狭くなりがちなのだと思います。自分も含めて。
広い懐と、必要な厳しさを併せ持っている乗越さんの言葉に触れると、ダンスの豊かさが感じられるから、マジ尊敬。
次回のNEXT ONEも、席が近くなりますように!
あ、そして過去の『新たなる挑戦』シリーズについては↓下からどうぞ。
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※「新たなる挑戦~New Challenge 〜Ⅵ」(2017年)についてのブログは、こちら
※『新たなる挑戦 〜New Challenge〜Ⅴ』(2015年)についてのブログは、こちら
※『新たなる挑戦 〜New Challenge〜Ⅳ』(2014年)についてのブログは、こちら
※『新たなる挑戦 〜New Challenge〜Ⅲ』(2013年)についてのブログは、こちら
※『新たなる挑戦 -NEW CHALLENGE- Ⅱ』(2012年)についてのブログは、こちら
(編)

 

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